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中国教育ニュース通信2020年5月号|中国EdTech#35

はじめに

5月までの中国の教育関連のニュースをまとめてお伝えしていきます。今回の注目のトピックは、新型コロナの流行が落ち着き、経済活動が再開してきた中国の学校再開やオンライン塾などの取り組みや、5月22日から28日まで開催された全国人民代表大会における政府の指針発表などです。

引用元は、一部の記事を除き、芥末堆というニュースメディアの週ごとのニュースまとめを翻訳したもので、政府の政策から企業のサービスや統合、大学や社会の動きまで幅広くカバーできます。芥末堆以外のソースにあたったものは、記事の下に出典を記載しました。それでは見ていきましょう。

学校政策

5/22:全人代で李克強首相が高等職業教育学校の拡大を呼びかける

李克強首相は全人代(全国人民代表大会)への政府業務報告の中で、「今年の大卒者数は874万人に達し、大学と地方政府は継続的な雇用支援サービスを提供しなければならない」と述べた。現在、中国にはパートタイム労働者を含めて数億人の被雇用者がいますが、今年は低所得者を対象に社会保障費の徴収猶予政策が実施され、雇用支援に関連する行政・制度的な料金はすべて廃止されることになっています。今年度と来年度の2年間で高等職業教育学校の生徒数を200万人拡大する計画です。

本報告書では、2019年に生活保護を受ける義務教育学生の数が40%近く増加したことに言及しています。李克強首相は、地方の学校建設、民間教育の標準化、私立幼稚園の支援などにより、貧困を緩和すると述べました。一流大学・一流学科の建設、農村部や恵まれない地域の高等教育就学者数の拡大も目標に掲げました。

4/20:湖北省が高考の延期時期を発表

湖北省は4月20日、2020年の大学入試の時期と春学期の開始時期を明らかにしました。 湖北省の2020年大学入試は7月7日から8日にかけて行われます。湖北省の高校3年生は5月6日に登校を再開します。

コメント
3月31日のニュースで、中国のほとんどの自治体で大学入試が延期(湖北省と同じく7月7日から8日)されることが報じられましたが、新型コロナ感染状況の比較的深刻な北京、湖北省の大学入試日程は未定でした。

5/22:北京で小中高校が授業再開、オフライン塾は依然再開の目処立たず

北京市教育委員会は「2020年春学期基礎教育の秩序ある復学に関する通知」(以下「通知」)を発布しました。

本通知は、6月1日から北京市の高校1・2年生、中学1・2年生、小学6年生が復学、6月8日からは小学4・5年生が復学、小学1~3年生は授業再開の準備をはじめ、様子を見て具体的な復学時期が通知されます、6月8日からは開園条件を満たした幼稚園が次々と開園できるようになる、としています。校外研修機関(学習塾やピアノ教室等)でのオフライン授業再開時期については、追って発表があるとのことです。

4/20:広東省などで大学の授業再開、省外の教師や生徒は未だ学校に戻れず

広東省、陝西省、河南省、浙江省などは明確な高等教育機関の授業再開スケジュールを明らかにしました。深圳市教育局によると、5月11日以降、条件を満たした大学・短大は卒業学年の学生が授業を再開し、5月18日以降、大学・短大の卒業学年以外の学生、その他の高等教育機関の授業再開を順次決定します。授業再開にあたって、感染予防状況、感染予防資材の準備状況などに応じて、時間差登校や、段階的な授業再開などの策を講じます。

相次ぐ不正会計問題

4/17:中国概念株にまたも衝撃 オンライン教育「跟誰学」に売上高70%水増しの疑い

2月25日に、中国オンライン教育プラットフォーム「跟誰学(GSX Techedu)」が、売上高を約70%水増ししているとの指摘を受けました。不正会計が指摘された直後、跟誰学の株価は10%急落し、時価総額は50億元(約760億円)近く減少しました。

コメント
当社は子供向けオンライン英語教育のライバル企業VIPKIDに告訴されるなど問題を多く抱えています。

出典:36Kr

参考
VIPKID在线少儿英语が跟谁学を告訴
最前线丨在线教育迎来第一场“获客”官司,VIPKID起诉跟谁学要求赔偿300万元_详细解读_最新资讯_热点事件

5/3:中国教育大手「好未来」の売上水増しが発覚 株価急落で6400億円蒸発

4月8日、中国教育企業大手の好未来は売り上げの水増しをしていたことを公表しました。この一件が公表されてから、好未来の株価は時間外取引で28%下落し、時価総額は647億元(約1兆1000億円)減少しました。

コメント
大手の好未来と跟誰学の不正会計問題が相次いで起こったことが、今年の中国EdTech業界における2大スキャンダルとなっています。中国ではEdTech以外にも、昨年上場したコーヒーチェーンLuckin coffeeや中国版Netflixの愛奇芸も不正会計疑惑に揺れています。

出典:36Kr

参考
Luckin coffee
未曾有の快進撃続けた「luckin coffee」に水増し行為か 膨大な証拠を提示する匿名報告書が流出

愛奇芸
中国版Netflixの「愛奇芸」に不正会計指摘 「根拠なし」と否定

ニュース

3/31:猿輔導が10億ドル(70億元)資金調達(世界最大、教育業界の歴史上最大)

2020年3月31日、猿輔導を運営する北京猿力教育科技有限公司は、高瓴キャピタル、テンセント、博裕キャピタル、IDGキャピタルが主導し、10億ドルのシリーズG融資によって、評価額は約75億ドルとなりました。10億ドルの資金調達は教育分野のスタートアップの融資規模としては全世界で史上最大です。

コメント
中国教育業界の融資は2020年3月に20件に達し、2019年の同時期から14件減少しましたが、全体の融資額は2019年の同時期の10倍近くになります。2020年3月の教育業界全体の融資額に占める割合は、猿輔導の10億ドルだけで83.7%となっています。今回の融資の規模がいかに大きいかよくわかります。

4/21:Douyinのライブ配信で2月の教育分野の閲覧数が550%増加

先日、Douyin(中国版TikTok)は、Douyin上のライブストリーミングサービスに関わるデータを網羅した「2020年Douyinライブストリーミングデータマップ」を公開しました。2020年2月に、教育分野のライブ配信者数、ライブ閲覧者数、ライブ閲覧回数が大幅に増加しています。ライブ閲覧回数は前年比550%増となりました。

5/20:中国教育部のレポート「高等教育機関への進学率は51.6%」

中国教育部の発表した統計によると、全国の学校数は前年比1万1300校増の53万校、在籍生徒数は前年比661万人増の2億8200万人となりました。このうち専任教員は1,732万人で、前年比59万人増(3.54%増)となりました。高等教育機関への進学率は51.6%となりました。

5/19:テンセントCEOが全人代でオンライン職業教育の促進を訴える

全国人民代表大会において、テンセントの取締役会長兼CEOのポニー=マーは、「デジタル経済を成長させるためのインターネット産業国家戦略の策定を加速させる提案」を提示し、オンライン職業教育を発展させ、主要グループの雇用機会を増やすことを提唱しました。本提案には、「有名校の教師や学習塾が地域社会のためにオンライン授業を実施し、オンライン職業教育を精力的に発展させ、様々な人のビジネススキル向上を支援し、雇用機会を増やすことを奨励する」などの内容が記載されています。

元の芥末堆まとめ記事

https://www.jiemodui.com/N/117032

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今回は、9月までの中国の教育関連のニュースをまとめてお伝えしていきます。今回の注目のトピックは、アプリ規制や生徒の保護に関わる政策に関するニュースです。 引用元は、芥末堆というニュースメディアの週ごと…

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