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中国教育ニュース通信 2020年1月号 - 中国EdTech#22

中国EdTechに引き続き、これからは月に1度のペースで中国の教育関連のニュースをまとめてお伝えしていきます。
引用元は芥末堆というニュースメディアの週ごとのニュースまとめを翻訳したもので、政府の政策から企業のサービスや統合、大学や社会の動きまで幅広くカバーできます。

それでは見ていきましょう。

今回扱うトピック

  • 学校政策
  • 高考改革
  • 規制
  • サービス
  • 大学
  • 社会

学校政策

1/7:教材の管理役職・編纂制度が不明瞭な問題に対し、教育部が4文書を発表し「根絶やし」に。

近日、学校教育用教科書の全体的な計画が不十分でかつ、トップレベルの設計が不十分であるなどの問題に対応して、全国教材委員会は、『全国の大学・高校・中学・小学校学校向けの教科書制度構築のため計画(2019-2022)』を発表しました。またこれに対応して、教育部は『高中小学校における教材管理対策』『職業訓練校における教材管理対策』『高等教育機関における教材管理対策』および『学校の海外教材使用に対する管理対策』を発表し、各種各領域の教材に対してそれぞれ特定の要件を設定しました。
一般に教科書の選択においては審査を受ける必要があります。また義務教育学校は海外の教材を使用してはならず、普通高校では外国との共同運営による学校または共同プロジェクト、および省の教育局に承認された海外プロジェクトを除き、海外の教材を使用してはならないことが明確に規定されています。

コメント
教育部とは、中国国務院(日本でいう内閣)直属の教育行政機関で、日本でいう文科省に当たります。現在の教育部部長は陈宝生。

1/10:教育部が就学前教育に幼児科学と結びついた行動計画の策定を計画

教育部部長の陈宝生は1月10日、2020年に基礎教育を拡大・深化させ、教育改革を進めるため、就学前教育においては、幼児科学と接続した行動計画を策定し、また初等および中等学校では国家の優れた教育成果を押し広げ、教育方法を最適化し、教室での授業の質を改善すると発表した。
陈宝生は、2020年の全国教育工作会議で、教育の拡充は、主に幼稚園と高校で行われるべきと述べました。 就学前教育は、地区と一体化した幼稚園の整備に焦点を当てるべきであり、また高校に関して言えば、広域に渡る普及計画を実施し、中西部地域の貧困地域の支援に焦点を当てる必要があるとした。 また学校を運営するための条件を積極的に改善し、普通高校の「大規模なクラス」を早期に解消をする必要があると述べました。

1/10:山東省の職業教育改革を推進。職業教育の学部・専門修士・博士課程の増加計画。

1月10日、「教育部 山東省人民政府に対する省内の教育品質改善と職業教育イノベーション発展ハイランド建設に関する意見」(以下「意見」と呼ぶ)が公布され、教育部と山東省の共同組織を通して、山東省が新時代の中国の特色ある職業教育制度とそのモデルを積極的に打ち立てることを支援します。
「意見」では、山東省が既存の大学の約半分を応用指向の大学に変えることを支援すると、言及しています。また、中等職業学生と高校生に「双方向の流れ」を与え、中等職業学校と普通高校の間で学籍と単位の相互移転を促進します。 さらに「職業教育大学入学試験」システムの確立を探求し、職業教育学部課程、専門の修士課程、専門の博士課程およびその他の手段の増加を図ります。

高考改革

1/7:高考で何を試験するのか?教育部が初めて「中国高考評価システム」を発表し、市民の疑問に解答した。

1月7日、教育部の公式ウェブサイトは、教育部試験センターが開発した『中国新大学入学試験評価システム』と『中国大学入試試験評価システムの説明」が公開されたと発表。 トップレベルで初めて発表された大学入試評価システムは、「なぜ、何を、どのように試験するか」などの大学入試の本質に関する問題に対して回答する。
国務院が高考・入学制度の改革を推進して7年が経つが、「大学入試評価システム」は、試験および入学制度の改革、特に新しい大学入学試験の改革、提案、および授業方法の重要な文書となります。

1/9:2020年は「高考」移民に厳しい打撃。教育部「着実に新高考改革を推進する。」

1月9日、教育省は、「2020年に普通大学入学試験に関する通知」を発行し、2020年の高考(大学入試)に対応する規則を作成しました。その中で本通知は、大学入試の実施に関して対応する規制、高等教育入学機会の公平性の促進、入学・合格に関する管理など、様々な方面に対応した規則を設けます。
「高考移民」について、本通知は、戸籍の不適切な登録、戸籍の不正登録、または虚偽の認証資料の発行によって大学の入学試験の資格を取得する者は、法律および規則に従って厳格に対処されるべきであると述べています。また、入試と学校運営に対する規制を強化し、高校生の学籍の管理、空学籍の厳禁、居住地と戸籍の分離、入学試験における違反、高校への入学を厳密に管理し、生徒の入学、人の分離、不法な入学などの行動を厳しく禁止する必要があるとしています。

コメント
中国では、高考(入学試験)を省ごとに受け、上位者から希望する大学に入学できるシステムになっています。地域によって競争率が違うことが大きな問題となっています。またその省に存在する大学、例えば北京大学には、北京からの入学者が有利なシステムになっており、高考の際に子供をなんとか都市部で受験させたいと望む親も少なくはないそうです。

1/15:深圳の総合素質評価プランに対する意見収集の結果、試験校での再始動が決定。

1月15日、深圳市教育局は、収集した一部の市民の意見とその採択の可否を公表しました。
その中で、深圳市教育局は部分的に親と学校に先行して総合素質評価プランを運用し、改善する計画だと応答しました。またデータ収集の機会を増加すること、総合素質評価は主に学校の中で行われるということ、データは暗号化することなども回答しました。
ある保護者は「総合素質評価の基準を達成しなかった場合、省級の高校申への入学申請をできないという」という規定を取り消すよう、つまり高校入試と総合素質評価を連結させるのを取り消すように提案しました。 しかしこの点に関しては、深圳市教育局はこの提案を受け入れないことを発表しました。

コメント
総合素質評価プランは、中学生一人ひとりの思想、学業成績、運動や芸術などでの素養、社会実践などを評価し、点数化したものです。今回はその得点が基準値をクリアしなかった場合に高校入試である中考を受験できなくなる、という取り決めがあった点で、市民からも大きな反発がありました。
そもそも高考・中考の際には、档案と言って個人の経歴・思想はチェックされることになっているのですが、それが受験資格に関わるものとなるとやはり気になる親も多かったようです。
とは言え、素質評価というのは、元はアメリカの受験システムを参考に考案されたと考えられますが、かなり変形されていますね。

規制

1/8:全国の学外オンライン塾に対する審査が完了。今後は動向に合わせてブラックリストを更新。

2019年12月31日までに、全国の計718の学外オンライン学習塾は、学外オンライン学習塾管理プラットフォームに資料を提出しました。すでに基本調査は完了し、問題のある教育機関は今年の6月末までに改善を行います。
2019年7月に、教育省など6部門は、「学外オンライン学習塾の標準化の実施に関する意見」を発表しました。これは、小中学生向けのインターネットを使った教科別の学習塾に対して、さらなる標準化を要求するもので、正常で秩序のある発達を促進し、 小中学生の過度の負担を軽減する目的です。

コメント
この《关于规范校外线上培训的实施意见》(学外オンライン学習塾の標準化の実施に関する意見)に関しては、発表当時から多くの反応がありました。2018年までは、ある程度無秩序・自由にサービスの成長を傍観していた政府が、本腰を入れて管理・規制を始めたものとして捕らえられたようです。正直言って、質のばらつきが大きいため、こうしたサービスの管理は必要なものと言えるかもしれません。

1/7:広東省の私立小中学校の入学が抽選式に

1月17日、広東省教育庁は、「広東省小中学校の入学および学校の負担軽減業務に関する情報連絡会議」を開催し、近日に公開された「小中学校の入学業務のさらなる標準化に関する指導意見」に対する解釈を行いました 。「意見」では、義務教育期間の私立学校の入学制度に対して審査と統一的管理を行い、公立学校の入学制度と同様の制度にすることを提案しています。 2020年から、応募人数が募集人数を超えた私立の小中学校ではすべて、コンピューターによってランダムに入学を決定するようになります。

コメント
日本でも、筑波大附属駒場中学校・高校を試験制ではなく抽選制にするかというのが議論になったこともありましたね。。

サービス

1/6:デイリーアクティブユーザーが4億人突破。TikTokが国内最大の知識コミュニケーションプラットフォームに。

TikTokは1月6日、「2019 Douyin Data Report」をリリースしました。2019年のデイリーアクティブユーザーやユーザー分布の詳細なデータを公表しています。 本レポートの統計によると、2020年1月5日現在、TikTokには1日あたり4億人以上のアクティブユーザーがいます。 現在、同音は中国最大の知識・芸術などのコミュニケーションプラットフォームとなっています。 2019年に最も人気のあるカテゴリは、グルメで具体的なキーワードには、家庭料理、軽食、懒人朝食(怠け者の朝ごはん)、パンの焼き方などが含まれます。 他カテゴリには、言語教育、科目教育、職業教育、科学知識などがランクインしています。

1/6:「5年で売上4億から12.7億を目指す」瑞思教育のCEOが交代。全面的なデジタル化を目指す。

最近、瑞思教育は王励弘取締役を新CEOに任命したことを発表しました。会見で、王励弘は、瑞思教育は「デジタル化され教科を超えた素質教育の新生態圏」の確立を将来の方向としてとらえ、また拡大のための運用能力をその重点とした、素質教育の総合プラットフォームの建設を表明しました。
これまで、瑞思教育は、中国、シンガポール、ベトナム、および世界中の多くの国と地域を対象としています。中国の100以上の都市に瑞思教育の英語塾(英語校区)を建設し、同時に北京、上海、広州、深圳、無錫、石家荘、香港などに支店を設置しています。
瑞思教育の最新の財務報告によると、2019年9月30日現在、第3四半期の瑞思教育の総収益は4億1110万元に達し、前年比18.4%の増加しました。

1/7:小猿捜題が教育部の第一期認可を獲得。2019年までに約2億の問題をカバー。

教育部は第4回学校(基礎教育)イノベーション発展を研究討論会を開催しました。会議では約200件の「未来学校」調査事例とイノベーション事例をレビューし、その中で小猿捜題アプリが、教育省の「未来学校の研究および実験計画」に採択された最初の4事例の1つとなりました。
小猿捜題APPは、自然言語処理技術とコーパス技術に基づいた自動評価システムに基づいています。これによって印刷媒体や手書きの文字の内容を正確に識別でき、詳細な分析プロセス、対応するトピックのビデオ説明、類似した種類のナレッジノードのレコメンドを通した、学習ループを形成します。
2019年12月27日の時点で、小猿捜題アプリには86億件の検索があり、約2億件の問題に対応しています。1日の平均回答数は少なくとも2,347万件でした。

1/9:騰訊の張小龍がWeChat公開授業pro版で講演しWeChat パブリックプラットフォームの二つの失敗を反省。今後はショートムービーに力を入れることを表明。

1月9日、騰訊の上級副社長兼WeChatチームのリーダーである張小龍が、2020 微信公开课フォーラムで「未完成 Always Beta」をテーマにスピーチを行いました。 張小龍は今年は現場には出席しませんでしたが、ビデオを通してWeChatと情報ネットワークについて講演しました。
ビデオで、張小龍はWeChatの初期の二つのミスに言及しました。1つは、PC Webバージョンの公众平台(パブリックプラットフォーム。企業や個人が公式アカウントやWeChat上のミニプログラムを運営できるサービス)においてコンテンツ製作者の範囲を制限していたことです。
もう1つは、文章形式に偏り、公众平台においてショートムービーのコンテンツが不足していたことです。したがって、WeChatは今後、ショートムービーに力を注いでいきます。
さらに、張小龍は2つの新サービスも発表しました。1つはショートムービー製品、もう1つは春雪期間の红包(お年玉)機能です。

1/9:オンライン教育サービスに新たな盛り上がり?CCTV「中国詩詞大会」単独スポンサーに猿辅导。

1月9日、猿辅导は、CCTV 「中国詩詞大会」(第5シーズン)の単独インタラクティブパートナーになったことを発表しました。 「中国詩詞大会」が始まって以来、インタラクティブパートナーと提携するのはこれが初めてとなります。
「中国詩詞大会」で、視聴者は猿辅导Appをダウンロードして、クイズに解答することができます。また彼らは猿辅导上から番組に参加することもできます。 さらに、番組ゲストである中央民族大学歴史文化学院の蒙曼教授が、猿辅导上でゲストチューターにもなり、ストリーミングクラスを開講します。

コメント
CCTVとは、中国国営のテレビ局、中国中央電視台のこと。「中国詩詞大会」はCCTVの人気番組で、一般参加者が漢詩の知識をクイズ形式で競います。

1/15:腾讯と乐高集団が戦略的パートナーシップを更新、児童社交領域における協力を確認。

1月15日、乐高集団と騰訊は、両社が2年間の「戦略的協力に関する覚書」を更新したことを同時に発表しました。 将来的には、児童向けデジタルコミュニケーションおよびソフトウェアアプリケーションは、二社間協力の焦点となるでしょう。
騰訊の担当者が芥末堆に明かしたところによると、特定の製品形態がまだ公開されていないことですが、今後新しい開発が次々と発表される予定です。 この覚書によれば、両社はすでに進行中のプロジェクトに加えて、デジタルソーシャルおよびソフトウェアアプリケーションの分野での協力を模索します。

1/14:全国にIELTSの大規模な機械式テストセンターの建設の予定。14都市をカバーする計画。

1月14日、ブリティッシュカウンシル(IELTSテストオーガナイザー)が主催する「2020 IELTS Partners Annual Meeting and Award Ceremony」が厦門で開催されました。
その際、ブリティッシュカウンシルは5月以降、大規模なIELTSのコンピューターベースのテストサイトを全国に建設していることを明らかにしました。年末までに全国14都市にテストセンターを建設する計画です。

大学

1/14:「さあ、お隣さんで授業を。」北京大学と清華大学が部分的に学部課程の授業を相互に開放。

清華大学学務処の公式WeChat「学在清华」は、清華大学と北京大学は学部課程の一部を互いに開放することを発表しました。 発表によると、2020年の春学期に、北京大学は清華大学の学部生に27の学部教養科目を開放します。同時に、北京大学学務処の公式ウェブサイトは、2020年春に、清華大学が北京大学の学部生向けに12の良質なコースを開放し、結果合計15のクラスと170名の学生にむけた授業が展開されることになります。

社会

1/18:北京市教育委員会の新規則。小中高生は定期的にトイレ清掃に参加する必要。

1月8日、北京市教育委員会は、「北京市の小中学校および幼稚園のトイレ管理規則(トライアル)」を発表しました。特に、「キャンパス内トイレの衛生清掃に参加するように生徒を定期的に組織する」ことが書き込まれ、また校長・園長がトイレ管理の責任者であると規定します。仕事の最初の責任者であるトイレ管理は、学校の仕事の評価の重要な指標としてリストされています。
本規則によると、学校は毎日のトイレ清掃責任システムを設定する必要があります。毎日、決まった人が決まった時間にトイレ清掃をする必要があり、原則として清掃は1日に3回以上である必要があります。清掃作業が完了したら、学校トイレ清掃記録フォームに記入する必要があります。さらに、各授業の10分後に、学校は生徒の使用に応じてトイレを一時的に掃除し、週に2回以上トイレの脱臭と記録を行う必要があります。

コメント
おそらくこうした動きは、習近平政権が推進する「トイレ革命」に影響されたものだと思います。

1/9:WeChatの2019年データ報告書が公開、教育領域のWeChat決済増加率は第3位に増加。「海淀家长」が検索トップに。

1月9日に、WeChatは「2019 WeChat Data Report」をリリースしました。注目するべきは、 教育部門がWeChat決済の増加率(80%の増加)で3番目にランクされていることです。政府業務(190%)と医療(107%)がトップ2でした。
またWeChatカスタム検索では、「海淀家长(北京・海淀地区の親)」と「普恵」は北部のトップ検索単語で、南部でが「ゴミ分別」がトップになりました。

コメント
「海淀家长(北京・海淀地区の親)」とは、高考で北京の海淀地区(北京大学や清華大学が位置し、中関村というスタートアップ集積地もある)の得点が北京市内の中でも最も高かったことから生まれた言葉です。比較的経済的文化的資本が充実した家庭に対する嫉妬とも言えます。
また2019年7月には上海で「生活ゴミ分別条例」が施行され、慣れない分別や罰則への恐れから、ゴミ分別を話題にする人が多かったようです。
また本ニュースからは、百度ではなく、SNSのWeChatが検索エンジンとしても大きく普及していることも伺えます。

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出典

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