news service portfolio blog

幼児教育サービスを解説!ー注目サービスと今後の3トレンド(前半) - 中国EdTech #9

第9、10回は、中国EdTechの幼児教育を前後半に分けて解説します。
前半となる今回は、まずそもそも幼児教育サービスとはどういうものなのかを解説します。そのあと具体的にどのようなサービスがあるのか、大きく4つのグループに分類し、マッピングして紹介します。同時に代表的なサービスの内容を見ていきます。

今回扱うトピック

  • そもそも幼児教育サービスとは?
  • 幼児教育を4つに分類して紹介

そもそも幼児教育サービスとは? 

幼児教育サービスが扱う領域には、大きく分けて家庭教育サービスと、専門機関教育サービスの二つがあります。

家庭教育向けのサービスでは、家庭内育児をサポートするものが中心を占めています。具体的には、童謡や絵本などのコンテンツを提供するアプリや知育サービスが中心です。他には保護者向けオンラインコミュニティや保護者教育を行うサービスが存在します。

一方で、専門機関による教育サービスとは、主に幼稚園・託児所のことを指します。
中国では0~3歳児を預かるような公的施設が未整備であることから、近年、幼児教育センターと呼ばれる民間の託児所が登場しています。また、激しい受験競争を背景に幼い頃から習い事に通う児童も多いです。
また託児所だけでなく、幼児教育教材の開発・販売、教師育成、教育情報化などのサービスを行なっています。

本記事では、家庭教育サービスを中心に扱いますが、中国の幼児教育の流れを追う上で、専門機関による教育サービスも無視できません。

幼児教育を4つに分類して紹介

幼児教育サービス分類図

ここでは、中国edtechの幼児教育分野の代表的なサービスをまとめてみました。(ここでは託児所等の専門機関による教育サービスは扱いません。)

幼児教育分野のサービスは、大きく分けると

  • 幼児教育アプリ
  • テクノロジー活用型
  • 保護者向けオンラインコミュニティ
  • 保護者教育

の4つの形式に区別されます。

幼児教育アプリ

幼児教育アプリとは0歳から6歳くらいまでの幼児を対象にした教育アプリです。内容は英語や数学などの個別教科ではなく、読み聞かせや知育ゲームなどが主です。幼稚園や保育園で行う内容のアプリ版と考えていいでしょう。使い方としては、親(主に母親)がアプリを使って子どもに教育をする、という形になります。
幼児教育アプリの中でも大きく分けて以下の4つのグループがあります。

(1)童謡・絵本
中国語で童謡や絵本の読み聞かせを提供するアプリです。

(2)漢字学習
3歳くらいからの幼児を対象に、漢字学習を行うアプリです。

(3)知育アプリ
知育アプリは、扱う内容が広く、生活習慣から詩の音読、また簡単な計算や英語も扱います。主にアニメ動画やゲーム形式を用います。

凯叔讲故事

凯叔讲故事は代表的な読み聞かせアプリです。もともとテレビアナウンサーの王凯が始めた読み聞かせサービスで、三国志演義や西遊記などの古典作品から童話まで、約8000作品の読み聞かせ音源を提供しています。現在はそれだけにとどまらず絵本の制作・販売や保護者教育サービス、読み聞かせデバイスの開発・販売、幼児向け・育児関連商品ECサイトなど、幅広いサービスを展開しています。
価格は月36元(700円)となっています。
またアプリは中国語だけでなく、英語・日本語を含めた20言語に対応しています。


出典:豆瓣

サービス例:小伴龙

小伴龙は、ユーザー数1億人を誇る幼児教育アプリです。「去哪」(冒険物語)、「学堂」(単元別動画)、「歌舞」(歌)、「宝箱」(職業体験ゲーム)の4つのコンテンツを提供しています。
小伴龙という龍を模したキャラクターが登場するなどエンタメ性が強いのが特徴です。発音や歌のコンテンツでは、幼児の声にキャラクターが反応するようになっており、より子供の没入感を高める工夫がされています。
無料コンテンツと有料コンテンツ(1元から)があり、月額会員(20元)への導入が行われています。

出典:简书

テクノロジー活用型

テクノロジー活用型サービスは上記の幼児教育アプリに収まりきらないサービスです。内容は、STEAM教育に近い分野ですが、主にARやロボットといったテクノロジーを幼児教育サービスに導入したものです。

小鸡叫叫

小鸡叫叫は鉄皮人株式会社が提供している教育コンテンツです。もともとは幼児向け絵本のキャラクターで、現在はアニメや幼児教育アプリなども製作されています。
2018年にリリースされたのが神奇叫叫(Smart JOJO)と呼ばれるスマート玩具です。幼児用ロボット型スマートフォンのようなもので、0歳から6歳を対象にしています。主な機能としては、これまで鉄皮人が手がけてきたアプリをベースにした読み聞かせや童謡です。またスマホからコントロールできるようになっており、どこにいても神奇叫叫を通して子どもと会話することができます。
共働きの夫婦が増える一方で、子どもを非常に大事にする中国人のニーズに応えた製品と言えます。

出典:百度百科

オンラインコミュニティ

オンラインコミュニティサービスは、幼児ではなく保護者を対象としたサービスで、保護者に対して育児に関する情報を提供したり、保護者同士が育児上の問題を相談しあったりすることができるサービスです。

サービス例:宝宝树

宝宝树は保護者向けオンラインコミュニティです。主に妊婦から小学校に入る前の子供を持つ保護者を対象にしています。内容としては、育児に関する質問箱や、専門家によるアドバイスなどをはじめとして、育児記録・アルバムの作成、幼児向け・育児関連商品ECサイトなど、手広く提供しています。
2018年には香港証券取引所に上場しました。

出典:宝宝树

保護者教育

保護者教育サービスも、同じく保護者を対象としたサービスです。講義動画や音声メディア、記事などで家庭内育児の方法や問題の解決方法を提示します。教育熱心な親が多い中国特有のサービスでしょう。

小步

小步は0歳から6歳の子どもを持つ親を対象にした、家庭教育に関するオンライン講義アプリです。同時に、親子遊びの紹介や、育児に関する記事なども提供しています。
もともとは中国では、幼児教育センターと呼ばれる民間の幼児教室が保護者教育も担っていましたが、小步は同水準の内容をより低価格で提供していると言えます。
また親子遊びに関しても、子どもの年齢別に親子でできる遊びが紹介されており、これも旧来の幼児教育センターや託児所の役割を代替するものと考えられます。

出典:apple store


参考

最近の記事

中国教育ニュース通信2020年6月号|中国EdTech#38

はじめに 今回は、6月までの中国の教育関連のニュースをまとめてお伝えしていきます。引用元は、一部の記事を除き、芥末堆というニュースメディアの週ごとのニュースまとめを翻訳したもので、中央・地方政府の政策…

Smart Learning Environments for the Futureとは? 後編 - フィンランドEdTech #5

前回の記事でご紹介したように、フィンランドでは、6Aikaという枠組みのもとでいくつかのプロジェクトが進められています。そのひとつに、Smart Learning Environments for t…

2020.06.19

中国最大の教育系ユニコーン「猿輔導」のサービス紹介|中国EdTech#37

はじめに 中国EdTechスタートアップの一つである猿輔導は、2020年3月に10億米ドルの超巨大資金調達を完了し、中国において評価額が最大のEdTechスタートアップになりました。猿輔導の提供するサ…

LINE